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人間なんてだいたい這いつくばっちょうようなもんよ

「オールアウト」という言葉がある。

例えていうなら「ハンガーノック」「脱水症状」「絞りカス」。

今の俺はそんな感じである。

 

大人になってオールアウトすると、いわば生活のオペレーションシステムがフリーズを起こす。

仕事とか、家事とか、そんなことだ。

部活のころは「出し切れーー!!!」とかドヤされながら走ったものだが、大人になるとオールアウトしてはいけないものなのだ。

 

ラグビー部の夏合宿で、延々とつづくインターバルランニングの途中で横に抜け出し、トイレにすがりつくように倒れ込んだ。

あれはサボりたい一心だったのか、それとも体のほうが拒否したのか。

さっきまであれほどむさぼるように水を飲みまくったはずなのに、便器に向かってえづいてみても、最初に水がチョロっと出たあとは空嘔吐にしかならないのだった。

知らないうちにケツから出て行ったとでもいうのか、それほどまでに汗はしとどに流れていた。

 

あれから13年がたった。

今年の夏も俺は、地べたに這いつくばるようにして、炎天下に背中を焼かれている。

ゲロと下痢にさいなまれた俺は仕事の責任を中途半端に果たし、必死の思いでたどりついた土曜診療の医者には「ま、休むしかないね」と親切に笑われた。

何をしに医者に行ったのかわからないまま、ズルズルと駅前を這っていく俺の頭上には、祭り提灯を一面にびっしりと高いところまで敷きつめた竹柵が堂々とそびえていた。

「祭り、か。」

俺はつぶやき、ズルズルと踏切をわたっていくのだった。

 

(たぶん)つづく…

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