広告

 

2016年最大のエピックなアルバムは清水翔太の『PROUD』

Rihanna、Drake、Usher、Alicia Keys。

2016年はR&B系ポップスターのビッグネームたちの新作が次々と発表された。

しかし今のところ、どれも前作を大きく超える傑作にはなっていない。(単に、俺の聞き込みが足りないという問題もある)

SIAとJustin Bieberの新作は期待よりも良かったが、傑作と言いたいほどかというとそこまででもない。

そんな中、2016年に全世界で発表されたアルバムのうち、もっとも大きなブレイクスルーを果たしているのが清水翔太のアルバム『PROUD』だ。(大いに偏見である、ということは一応お断りしておく)

どのぐらいのブレイクスルーかというと、オザケンのアルバム『犬は吠えるがキャラバンは進む』(1993)から『LIFE』(1994)ぐらいのブレイクスルーだ。

ブレイクスルーと言うからには、味付けが変わった程度の変化ではない。

このアルバムは今までの清水翔太のアルバムと比べて、ベースから変化している。

そしてそれがすさまじく「美味しい」のだ。

この『PROUD』というアルバムについて、俺は今から語ろう。

 

ちなみに、俺が清水翔太の音楽に初めて出会った瞬間というのは、前のブログのこのエントリに書いてある。

This Is The One – innocent – 「清水翔太 『Umbrella』」

 

 

ファーストトラック 「Feel Good」

アルバムはファーストトラック、「Feel Good」で幕をあける。

このレイドバックしたピアノのイントロ。

飾りを廃したピアノとヴォーカルだけの簡素な構成でありながら、明らかに「本格」の音楽づくりが目指されていることが一聴して聞き取れる。

出だしにしてこれほどの強力な和洋ミックスの強度を感じたのは、Fayrayのアルバム『HOURGLASS』(2004)のファーストトラック「First Time」と、中島みゆきのアルバム『あ・り・が・と・う』(1977)のファーストトラック「遍路」を聞いた時以来だ。

血肉化された洋楽のフィーリングと、そもそも体に染み付いている歌謡の湿り気と、それを駆使したアーティストの自在な表現。

 

この歌で清水翔太が描き出すのは、恋人達の平和なある日の光景だ。

日曜日の午前中のように自由でリラックスして、力が抜けた感覚。

恋人といる時の、もっとも豊かな時間とでも言おうか。

小説『海がきこえる』(氷室冴子、1993)の中で森崎拓は初めて里伽子の部屋を訪れ、恋をすんなりと素直に打ち明けてしまってからの帰り道、人を好きになった時の「一番幸せな気分」について思いを馳せている。

「ぼくはひどく優しい気持ちになっていた。たぶん、人を好きになった時の一番幸せな気分というのは、今みたいな気分のことをいうのだろうという気がした。」

誰かを好きだと認めて、ただ話すのが嬉しいんだと素直に認められる優しい気持ち。

そんな豊かな時間が、人生にはある。

人生には、恋には、そもそもどうしてこんな事を始めたんだろうと思ってしまうほどの苦しい時期がある。

しかしそれでも、人生は、恋は、時に素晴らしいのだと言えるのは、こんな豊かな時間があるからだ。

誰かを、素直に大切だと思える、言える、そんな瞬間。

君のすべて、君に関わるすべて、君がいるすべてがfeel goodな、そんな瞬間。

 

 

 

『PROUD』というアルバムにおける「Feel Good」の位置

清水翔太のこの『PROUD』というアルバムは、むしろ誰かと一緒に過ごすことの難しさを、これから描き出していくことになる。

そんなアルバムのトップに、こんな風に恋人との豊かな時間を描いた「Feel Good」という一曲がある。

「好きな人がいて、恋人ができるって事は素晴らしいんだよ、素敵なことなんだよ」ということを最初に言っておくわけだ。

そういう前提が、揺るがない前提が、まずある。

「でもそれは簡単なことじゃないんだよ」、ということが、このアルバムの今後で濃密に、表情豊かに、長い道をたどるかのように描かれていく。

そんなアルバムが、この「Feel Good」という曲と共に始まる。

 

そして俺は魂のレビューに、今の俺の全存在を注ぐだろう

俺は今年の5月に結婚した。

おそらく今月中に子供も生まれるだろう。

そんな俺の今の気持ち、二度とない29歳の、親になる直前の心に、この『PROUD』というアルバムがあまりにもピッタリとフィットする。

今の俺はこの『PROUD』という作品にすっかりハマっていて、心から気に入っている。

そういうわけで、これからこのアルバムの、魂の全曲レビューを始める。

勝手に始めて、勝手に魂を込める。

アラウンドサーティーなやつらがこれを目に留めたら、ぜひ読んでってくれ。

ちょっとは誰かの役にもたつのではないかとも思って書いている。

後にも先にもないこんな夜に、ピースだ。

 

※アルバム2曲目「PROUD」ソウルレビューはこちらから

2.「PROUD」 – 『PROUD』 全曲ソウルレビュー –
魂のアルバム全曲レビュー。真の始まりを告げる「PROUD」で清水翔太は呼びかける。それは決して順風満帆で負け知らずの道を歩いてきた者の声ではない。傷つき、自分を疑い、すでに何かを失った者の声だ。すべての人に強く、幸せであろうと呼びかける。

 

※清水翔太 アルバム『PROUD』全曲ソウルレビューはこちらから

清水翔太 アルバム『PROUD』(2016) – ソウルレビュー –
2016年の傑作アルバム、清水翔太『PROUD』全曲レビュー 清水翔太が26~27歳の時につくったこのアルバムは、2010年代を生きる20代の心と風景を描いた傑作だと俺は思います。清水翔太自身にとっても、ポップミュージシャンと

 

 

広告